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金持ち父さん

僕のビジネスの目覚めはすごーく遅くて、28歳くらいの時だ。
それまで何していたのかといえば、好きなことをして、楽しく、しかし無為に過ごしていただけ。
気が付いたらそのくらいの年になっていた。
当然お金の話とかは大嫌いで、起業とか、投資とか言ってる奴は気持ち悪いくらいに思っていた。
そんな僕が何の因果か「金持ち父さん、貧乏父さん」の本を読んで、ガーンとなったのだ。
一番の目覚めは
お金は使うか、貯めるかする為にあるんじゃなくて
お金をさらに増やす為にあるんだと言う認識だったと思う。

それから僕は狂ったように色々勉強し始めて、29の時に一度
ベッドタウンプロダクションズ有限会社という飲食店のリニューアルをコンサルティングしたり、自分で直営店を経営したりするビジネスをする為の会社を作った。金持ち父さんが、良い投資家になる為には良いビジネスオーナーになるべきだとといていた事がそもそもの発端だと思う。
でも僕はあまりに非力で、無知で、まさに会社を「登記」した以外にほとんど何もできなかったと言っていいくらい何もできずに、会社を清算することとなった。
そういえば、このときも結婚するタイミングとダダかぶりだった。
「新郎さんご職業は?」
「えー、無職って言うか・・・起業って言うか・・・」
と言うような会話は結婚式をしていないのでなかったが、親類縁者は頭を抱えていたのではないか?

その後も様々なポジション、会社で働いたり、創業を手伝ったり、中小企業診断士の資格取得のために丸一年勉強漬けの生活を送ったりと、さえないなりにジタバタとやってきた。
そしてまたもや自分の労力とリソースを全部吹っ飛ばす覚悟で、会社を創ることになってしまった。
もう、絶対に金持ち父さんのせいだと思う。恥ずかしながら。

でも、あの本はやっぱりすごく重要なことを27歳の僕のような無知で非力な青年にもスッと理解できるように教えてくれる良書だったのだと思う。これがビジョナリーカンパニーだったり、ドラッカーだったりするともっとカッコイイし、絵になるのだろうけど、僕の場合どう考えても「金持ち父さんがきっかけで事業始めました。。。。」なのだ。

とはいってもその後のシリーズはほとんど読んでいなかったのだが、最近出た以下の本は、本当に久しぶりに手に取った「金持ち父さん」の本だった。内容はやっぱりすごくためになると感じた。全ての起業しようとしている人は、特に経験のない人たちは読んだ方が良いと思う。

でも、「金持ち父さん」の影響で起業しましたって、なんか絵にならないなぁ。
僕ってサエナイなぁ。

お金を使う

お金をもうけるためのお金、つまり投資するお金をあんまりケチらない!
これを肝に銘じよう。
もちろんバカになって、無駄なお金を使ってはしょうがないが、大事なのは会社が長生きする事じゃなくて、会社として何を目指して何をやるかなのだ。
何かをやる為にはお金がかかるし、やる事の効果を高める為にはお金がかかるものなのだ。

だから必要なもののお金はもちろん残高との相談になるが、ケチらず投資していこうと思う。
ピンチの時こそ、財布の紐を絞る事じゃなくて、残ったお金をどうやって投資効率の高い分野に配分するかを考えるべきなのだ!

といっても、今はそれほどピンチってわけじゃないんだけど。
今後の心構えとして。

取締役退任

ここ数ヶ月お世話になっていた、E社の取締役を11月15日付けで退任する事になった。
会社作り、資金調達、最初の売上げ、仕組みづくり等
いくつかの分野でそれなりに貢献ができたと思う。
そして僕が新たに別の会社を起こそうと思っている事を、夏の時点で相談していたにもかかわらず
それを応援、支援してくれた社長にも感謝したい。
こういうことって中々できる事ではないと思う。
今月末に頂く報酬を持って、イワユル給料というものがなくなるわけだが、当面は何とかなりそうなので、何とかそのタイムリミットのなかで資金を調達するなり、事業をテイクオフさせるなりしたいと思う。
ちなみにヨメに「明後日で退任する事になったよ」と言ったら
「あら、お祝いしないと」と言っていた。
こういうホンネでポジティブな反応が、心に染みる。
来年早々には子供も生まれるわけだし、ホントなんでこんなバタバタしたタイミングで起業なんてしているんだろうとふとわれに変えることもあるのだが、それはそれ、これはこれなのだ。
この「プロセス」に全力を傾ける事が、結果の如何によらず、自分の将来を切り開いていくんだという強い確信を持って、がんばっていこうと思う。
E社社長をはじめとした皆さん。お世話になりました!

D&Iセミナー

最近皆勤賞的に参加しているセミナー。
http://college.dreamvision.co.jp/entry/061113/01.html
今回は、僕が以前から興味を持っていた「@コスメ」という化粧品に特化したコミュニティサービスを運営しているアイスタイルの吉松さんという創業経営者がスピーカーだった。

内容的には今まで参加した中で、最もためになり、最も元気付けられる内容であった。
何よりも、リアルな数字を元に、テーマ通り「起業」してから各フェーズでどのような課題に直面し、それをどのように乗り越えて行ったかという事を、ざっくばらんに話してくれた事が大きい。

僕にとっては、すごくリアルな問題である、実際質の良いWEBサービスを立ち上げて運営していく、あるいは改善し続けていくにはどのくらいの人件費を考えておくべきなのか?、また成長した時(ある程度の規模になったとき)にはどのくらいの投資を続ける必要があるのか?売上げがたっていない状態で直接金融による資金調達をしたときにはどのくらいのヴァリエーションで売れるもんだろうか?等等。

とにかく今知りたい事を、ここまで教えてくれてよいのかというくらいざっくばらんに、それでいてていねいに説明してくれた事に感銘を受けた。

起業をしようとしている、あるいは始めている人にとって、昨日ぐらい出席しなかった事を後悔する良いセミナーは中々無いんじゃないかと思う。扇情的に士気を高められるのではなく、必要な事を必要な方法で、コチラが期待する以上に惜しみなく与えてくれた事による本物の励ましは、早々得られるものではないので。

何故自分で事業を起こすのか。

今日の昼間、事務所に年下の友人が用事で来たので
ランチ方々、色々な話をした。
その中で「なぜ自分で事業を起こすのか?」という話が出たので
あまりそういうことを深く考えた事はなかったのだが、考えてみた。
そこで口を付いて出たのは「しょうがなく・・」という言葉。

でもこの言葉が一番等身大でしっくり来る。
ものの本で読みかじったのだが、世界各国の「起業する人の割合」のランキングで言うと、アフリカとかアジアとかそういう地域の国が圧倒的に高いらしい。
起業大国のような感じもするアメリカでさえ、そんなに上位じゃなかったと思う。

よく考えてみれば当然の話で、豊かではない国だから、国内にあまり産業が無く、雇用も少ないので、それぞれが自分の才覚で何かを売ったり、役務を提供したりして身を立てるしかないケースが多いから、必然的に「起業する人の割合」が高くなっているのだろう。

そう、自分の家の前に椅子を置いて、「カミキリマス」って言ってジャキジャキ髪を切って、ささやかな御代を頂戴したって、起業は起業だ。

起業の先進国であろうアメリカにあっても、起業する人の割合が先進国の中では特に高いのは、先進国の中にあって取り分け労働環境や、雇用の安定性が決して恵まれているわけではない事と無縁では内容に思う。

つまりわざわざリスクを取ってまで事業をやろうという人間は、どこか変わっているか(いい意味でも悪い意味でも)恵まれていないかのどちらかではないかと思う。そして僕は多分どこか変人だし、その上恵まれていないのだから、これはもう起業するしか道がない、つまり「しょうがない」んだとおもう。

もちろん恵まれていないといっても、生まれてこの方経済的に困窮した事も無ければ、学生時代にバイトをしたこともないような人間だ。今でも誇れるほどの収入は無いが、まぁ十人並みの収入はある。上司にこき使われる事もないし、誰かにとくに侮られる事もない。

他人と同じように考え、他人と同じように振舞えて、他人と同程度の扱われ方で満足で、真面目に、キチンと、淡々と生きていける、正しい大人に慣れていたなら、僕はきっと事業を起こそうなんて考えていなかったと思う。そしてそんな自分であったなら、どんなにいいだろうと本気で真面目に思うことがある。

でも、実際の僕はどこにいても、何をやっていても、こういうことじゃないんだ、ここじゃないんだ、という漠然たる不安がずーっと付きまとっていた。そしてこのまま何という事もなく人生がしぼんでいってしまう事が怖くて怖くてたまらなかった。もう34歳なのに。

Q:起業は楽しい?

A:イヤ楽しくないです。気苦労ばっかりです。お金があと幾らあるかばっかりが気になります。

Q:やりがいがある?

A:なくはないけど、全力で労力とリソースを突っ込んだものが全てキレイになくなっちまうリスクを横目でにらみながらやってますので、そもそも「やりがい」なんて意識もしてません。そんなものくそ食らえと思ってます。

Q:でもあたれば大きいでしょ?

A:でも大きくあたるのも考えものですよ。自分がそれに耐えうる器で無いと逆に苦労しそうだし。

Q:じゃあ何でやってるの??

A:えっ・・・あの、しょうがなく・・・・かな・・・

こんな僕ですが、一つだけもんのすごく自分の中で明確な事があって
今回これをやる。とにかくにっちもさっちも行かなくなるまで、バカになって足元だけ見てダッシュするって事以外に選択肢はないって事。
周りから見れば沢山あるように見えるかもしれないが、実際は何度やり直しても同じ結論に至るだろうなと思います。

そして、「楽しいか?」とか「やりがいがあるか?」等と考える必要も余裕もない境地というのは、案外精神衛生上良いもんだなという事。戦時中を振り返って「あの頃は張りがあって良かった」などという老人にごくまれにであう事があるが、そういう気持ちなのかもしれない。

まぁ、そんな僕がやっている事業ですが、事業の中身自体は結構皆様のお役に立てるものだと思いますので、サービスがリリースされた暁には是非一度ご利用下さいませ。

ヨメの本

が、ついに本日発売になりました。
二人して、夕食後近所に二軒ある大型書店においてあるか見に行ってきました。
ありました。
一軒は探しても中々見つからないような棚にまぎれていたので、勝手に平積みにしてきちゃいました。
スミマセン。
でももう一軒の方は表紙が見えるように棚においてくれていて、まさに本が発売になりました!という雰囲気になっていました。
今月中には「美しい部屋」というインテリア雑誌でも、我家が5ページくらいに渡って取り上げられる予定なので、そちらも楽しみです。
でも、ウチってほんとにインテリア雑誌で取り上げられるようなスタイルのある家じゃないんです。。。。

マネジメントについて

僕が個人的にマネジメントについて意識しているのは
スタッフが個人的に気をつけたり、がんばったりする事に依存しない方法で成果を出すようにする。
という事かもしれない。

言い換えると

  1. 「仕組み」で対処する事
  2. マネジメントはスタッフの「サーバント」だと肝に銘じる事

でも、この事をありとあらゆる細かい事において実践していく事は中々と難しい。

例えばマネジメントが旗振って「コスト削減!」などといい、コピーの裏紙を徹底的に再利用したりする事に取り組んでいる会社がある。
このような「努力と根性」で問題に取り組む場合、その労力は[マネジメント<スタッフ]となる。
マネジメントは旗を振るだけで、現場でスタッフが混乱するというような構図が目に浮かぶ。
そして苦労のわりにはコスト圧縮要因にもならない上に、スタッフの士気が落ちたり、複合機故障の原因になったりする。

この場合前述の観点から言えばペーパーレスで仕事ができるような業務フローを考案、構築する事とか、コピーやプリンタのコストを低減するサービスを探し、導入するとかそういう仕組みをかえる事に労力を使うべきだと思う。このような事ができればスタッフはそれまでと変わらない労力で普通に仕事していても、コストは勝手に削減される。

そして仕組みを変えるという方法で対策する場合、その労力は[マネジメント>スタッフ]となる。
マネジメントは現状を変えるための仕組みを考え、導入する為に汗を流し、スタッフはいつもどおり真面目に適正に仕事をしていればより大きな成果が出せるようになる。こういう状態が理想だと思う。

マネジメントはスタッフがより気持ちよく働き、その結果としてより大きな成果を生み出す「状況」を創り出すことに責任を負っているのであり、個々のスタッフを厳しく使役したり、監視したりすることに責任を負っているわけではないことをよく認識すべきだと思う。